オマエは“特別”じゃない

“特別”と“普通”とが、いつまでも同じ道の上を歩いていられるはずがない。
“特別”にとっては、“特別”であることが“普通”だから。
“普通”の人間がどれだけ才に恵まれ、努力を重ねても、“特別”にとっての“普通”にはなれない。
ほんの一時、片を並べることはあっても。


それは、細い細い糸の上で綱渡りをしているに過ぎないと―――気づいた時には真っ逆さまに、落ちて。
遥か高き“特別”を仰ぎ見ているだけの自分の器を思い知らされる。


その瞬間から、もう二度と這い上がる事はできないのだ―――巽策/ いつか、届く、あの空に。